柔道整復師として働ことはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
柔道整復師は近年需要が増して生きている職業ですが、実際になってみたら大変だったということもあります。
本記事では、柔道整復師のメリットとデメリットについて解説し、柔道整復師に向いている人の特徴についても説明しています。
この記事を読んで柔道整復師に対する意欲を高め、デメリットを知ることで今のうちからできる対策を考えていきましょう。
1.柔道整復師として働くデメリット
まずは、柔道整復師として働くデメリットについて見ていきましょう。デメリットについて把握しておくことでデメリットを克服する対策をとれます。
肉体労働で体力が必要
柔道整復師は、体力が必要な仕事です。手を使って筋肉のコリをほぐしたり、同じ体勢で力を加え続けたりすることもあります。また、施術所によっては拘束時間も長く、1日中立ち仕事をしていることもあるので、体力はどうしても必要になります。
退勤後や休日にしっかり切り替えをしてリフレッシュして疲れを残さないように工夫しましょう。
整体師と混同されやすい
柔道整復師や整体師に対する知識がない人の場合、両者の違いがわからない患者さんもいます。
リラクゼーションが目的の整体院に対して、「治療」を行うことができる整骨院は保険適用で患者さんの負担を減らすことができるというメリットがありますが、そういった知識を持たない患者さんは整体院に行ってしまうこともあります。
国家試験でチャンスは年に一度しかない
柔道整復師の国家試験は年に1度の開催です。1度不合格になってしまうと次の機会は1年後までありません。
また、試験日が最終学年の3月なので国家試験の勉強と就職活動も並行して行うことになります。もちろん、就職の内定が出ていても国家試験が不合格になれば柔道整復師として働くことはできません。
競合が多い
公益財団法人柔道整復研修試験財団によると、柔道整復師はここ十数年間で毎年2000~4000人増えています 。
それだけ、ライバルが増えていると考えることもできるので、柔道整復師の資格を取得した後も、努力を続けることが必要です。
また、施術所の数も増えているので、無事に就職できたとしても就職先の施術所が存続していくために貢献していくことも重要です。
クレームが発生しやすい
施術所には様々な患者さんがやってきます。中にはコミュニケーションを取りづらい患者さんもやってきます。
柔道整復師は患者さんに直接触れて治療を行うため、コミュニケーションが十分にとれていないと、「力が強くて痛い」「もみ返しがきた」などのクレームにつながりかねません。
クレーム対策のみでなく円滑なコミュニケーションをとることは治療の満足度を上げるために重要です。
2.柔道整復師として働くメリット
次に柔道整復師のメリットについて見ていきましょう。デメリットもある柔道整復師ですが国家資格であることや、活躍の場所が多いなどのメリットも多数あります。
詳しく見ていきましょう。
国家資格で信頼されやすい
柔道整復師は国家試験の受験をして合格する必要があるため、患者さんの信頼を得やすい特徴があります。
国家試験の受験資格を得るためには、専門学校や大学に3年間から4年間通い指定のカリキュラムを履修する必要があります。
また、公益財団法人柔道整復研修試験財団によると令和4年度の柔道整復師の国家試験合格率は50%を切っていることから、柔道整復師の国家資格は誰でも簡単に取得することのできる資格ではないといえるでしょう。
高齢まで働ける
柔道整復師は体力勝負な面がある一方で、年齢を重ねて手技を身に着けることでレベルの高い施術を行うことができるようになります。
また、独立開業した場合や整骨院によっては定年もないのでスキルを磨くことで生涯現役で働くことができます。
多様性のあるキャリアプラン
柔道整復師は他の医療従事者に比べて、選択できる職場の種類が多いこともメリットといえるでしょう。
就職先としてイメージの強い整骨院・接骨院だけでなくスポーツや介護、美容分野といった多岐にわたる選択肢があります。
主なキャリアプランについても見ていきましょう。
整骨院・接骨院に就職
柔道整復師の就職先として一般的にイメージするのが、整骨院・接骨院です。
整骨院・接骨院への就職でも、個人経営の小さな施術所か複数の店舗を展開している大手の整骨院・接骨院に就職するかでも労働環境は異なってきます。
マネージメント
小さな施術所では、院長以外のスタッフには役職が付かず、昇進といった制度がない場合もあります。
しかし、複数の店舗を運営している大手のグループでは、院長やエリアマネージャーといった管理職へのキャリアプランも可能です。
独立開業
独立開業ができることも柔道整復師のメリットということができるでしょう。
医師や薬剤師の他に鍼灸師も開業することのできる資格です。しかし、鍼灸師の場合は柔道整復師と異なり保険請求に医師の同意が必要となるため保険請求のハードルがやや高くなります。
スポーツトレーナー
近年では、スポーツやトレーニングにも科学的な視点を取り入れられています。柔道整復師は筋肉や骨格についての深い知識を活かしてスポーツトレーナーとして活躍することもできます。
また、スポーツでは捻挫や脱臼などのケガも発生しやすいので、それらの応急処置を行うことができる柔道整復師を持っていることはメリットといえるでしょう。
機能訓練指導員
柔道整復師の資格を持っていると機能訓練指導員として働くことができるというメリットもあります。機能訓練指導員は介護が必要となった人の身体機能に合わせた訓練を行い、自立した生活を送れるように支援をする職種です。
老人ホームなどの介護施設では機能訓練指導員を1人以上配置しなければならないので、高齢社会では需要が高いといえるでしょう。
機能訓練指導員になるには柔道整復師や看護師など、特定の国家資格を持っている必要があります。
美容・フィットネス
柔道整復師は美容医療の分野でも活躍できます。柔道整復師は骨格や筋肉の知識を持っていますが、顔や頭の筋肉にアプローチすることでリフトアップや引き締め効果が期待できます。
また、スポーツジムでダイエットや体力づくりなどサポートを行うフィットネストレーナーとしてのキャリアプランも選択可能です。
保険診療が国に認められている
柔道整復師の治療は、医師の指示なしで保険診療を行えます。
保険診療では治療費を患者の一部自己負担で受けることができるので、患者からすればコストを抑えることができるので集客につなげることがでるでしょう。
3.柔道整復師に向いている人の特徴は?
デメリットもある柔道整復師ですが、メリットも数多くあります。デメリットを覆すほどの長所があれば、メリットの多い柔道整復師として活躍することができるでしょう。この章では柔道整復師に向いている人の特徴を解説します。
コミュニケーション力がある人
柔道整復師にとってコミュニケーション能力は欠かすことができません。コミュニケーション能力があれば、ケガや体の不調を抱えて治療院にやってきた患者さんの不安を取り除くことができます。また、患者さんとの会話のなかで患者さん自身が認識できていなかった症状や原因について明らかにできることもあります。
逆にコミュニケーションをうまく取れずに患者さんとの信頼関係を築くことができないとクレームにつながってしまうこともあります。
体力に自信がある人
柔道整復師は労働時間も長く、力を使って施術をする体力勝負の仕事です。知識や技術を身に着けても、体力が追い付かなければそれを発揮する機会も失われてしまいます。逆に体力があれば、現場に出続けることでスキルを磨いていくことができるでしょう。
体力があって元気に働いている人は患者さんにとっても気持ちのいいものでしょう。
向上心がある人
柔道整復師はスキル次第で活躍できる幅が広がる職業なので、常にスキルアップしていけるよう努力していける人が向いています。
また、医療分野全体の進歩が著しいので現在の常識だけに囚われずに日々新しいスキルや知識を取り入れる努力をしていかなくては競合の増えている柔道整復師の世界では生き残っていけないことでしょう。
4.まとめ:自分の目指す将来像に合わせて考えよう
柔道整復師は報酬が高いことや活躍の場所が多いなどのメリットもありますが、体力仕事であることやクレームを受ける可能性があるなどのデメリットもある仕事です。
柔道整復師を目指している人は、メリットだけでなくデメリットについてもしっかりと把握しておくようにしましょう。事前にデメリットを把握しておくことで就職した後でイメージとのギャップに悩むことも少なくなるでしょう。
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