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理学療法士を辞めたい?大変、きついと感じる理由や解決策をご紹介

理学療法士

理学療法士は患者さんや利用者さんの日常生活動作の向上や維持のために、おもにリハビリを提供する職種です。

健康や医療の観点からも責任が大きく、「疲れた」「辞めたい」と感じてしまう方もいるかもしれません。

今回の記事では、理学療法士の仕事が大変、きついと感じる理由のほか理学療法士の仕事のやりがいや魅力、辞めたいと感じたときの解決策を解説します。

1.理学療法士が大変、きついと感じる理由は?

理学療法士の仕事は、さまざまな理由から「大変・きつい」と感じてしまうことがあります。おもな理学療法士が大変、きついと感じる理由を8つピックアップしましたので、それぞれ見てみましょう。

①.肉体労働

理学療法士のおもな仕事は、患者さんや利用者さんへリハビリを提供することです。

おもに怪我や病気などを理由に身体の機能が低下している方を支えながらリハビリを行うため、理学療法士自身も多くの体力を使います。

また、肉体労働が多いことに加えて、患者さんや利用者さんの心に寄り添ったケアが求められるため、精神的にも疲れがたまりやすいです。

休めるときにはしっかり休む、日頃から疲れをためこまないように自己管理することも、理学療法士には求められます。

②.患者さん、他部署とのコミュニケーション・人間関係

理学療法士はリハビリをける患者さんや利用者さんだけでなく、医師や看護師、介護士などの関係者や、リハビリを受ける方の家族とも関わりを持ちます。

適切なリハビリを提供するためには、ほかの医療職や介護福祉職とチームを組み、連携を取る必要があります。時にはほかの職員から意見や報告を受けたり、家族からの意向を聴いたりするために積極的にコミュニケーションを取らなければいけません。

また、リハビリを受ける方が高齢者の場合、聞き取りやすさ、分かりやすさなども配慮しながら会話をする必要があります。

多くの人と関わりを持つことや、高いコミュニケーション能力が必要となることで、疲れを感じてしまう理学療法士もいます。

③.リハビリの効果が出るまで時間がかかる

リハビリは一般的にすぐに効果は出ません。リハビリの効果が出るまでは、患者さんや利用者さんの状態や症状に合わせて、常に最適なリハビリを提供できるように内容や計画を調整する必要もあります。

時には自分のリハビリが正しいか自信が持てなくなったり、患者さんや利用者さん、家族からリハビリに対する不満や不安をぶつけられてしまったりすることもあります。

④.患者さんの入れ替わりが多く、業務量が多い

勤務先によっても異なりますが、複数の診療科を設けた大規模な総合病院をはじめとした医療機関の場合、患者さんの入れ替わりが激しい特徴があります。

理学療法士は患者さんそれぞれに適切なリハビリを考え、計画を立てます。患者さんの入れ替わりが激しければ、その分多くの計画を立てなければいけません。

患者さんそれぞれに対する計画を立てなければいけないことや、患者さんによって異なる対応を行わなければいけないことも、理学療法士の仕事が大変と感じる理由のひとつです。

⑤.日々勉強が必要になる

理学療法士になるためには、国家試験に合格して資格を取得する必要がありますが、試験に合格してからも理学療法士としての勉強は終わりません。

医療やリハビリの技術は日々進歩しているため、効果的な新しい治療方法が常に新しく誕生しています。

理学療法士は患者さんや利用者さんに適切なリハビリを提供するために、積極的に新しい医療やリハビリの技術や知識を勉強し、取り入れる努力をする必要があります。

公益社団法人日本理学療法士協会でも、理学療法士の質の向上、専門分野における職能的水準の引き上げ、多様化するニーズに対応できる理学療法士の育成を目的に、豊富な学習機会を提供するための生涯学習制度を運用しています。

また、日々の臨床で経験したことを基礎知識や技術と組み合わせ、リハビリに応用していく必要もあります。理学療法士としての専門性を高めていくために勉強が必要となることに、大変と感じる理学療法士も多いかもしれません。

⑥.思い描く医療ができない

理学療法士はほかの医療職や職員と連携を取りながらリハビリを行います。

病院や施設、施設の方針や考え方によっては、自分がやりたいリハビリや医療の提供ができないことがあります。

自分の求める働き方と実際の臨床現場の間でギャップが生じることで、理学療法士の仕事が辛いと感じる方もいるでしょう。

⑦.ノルマに追われる

理学療法士の職場によっては、ノルマが課されることがあります。おもな理学療法士のノルマには、理学療法を行う時間(単位)、患者様の回復目標、訪問リハビリの場合は訪問件数などです。

ノルマがある場合、一人ひとりの患者様と向き合ってリハビリを提供するのが難しくなります。さらにノルマがきついと時間や単位などのノルマに追われることになり、何を目的にリハビリを行っているのかが分からなくなります。

患者さんや利用者さんのためではなく、ノルマのためのリハビリに対して仕事が辛いと感じる理学療法士も多いです。

⑧.給与や待遇の不満

給料や待遇面で不満があり、仕事を辞めたいと感じている理学療法士もいます。

厚生労働省発表の医療関係職種等の賃金水準データによると、各医療職の月収平均(5~9年勤務)は医師が717,500円、看護師が268,700円、薬剤師が336,100円です。 これに対して理学療法士の月収平均値は262,000円です 。

国家資格でありながらほかの医療職よりも給料が低い傾向にある点に、不満を感じる理学療法士もいるでしょう。

2.理学療法士の仕事のやりがい、魅力はたくさんある

理学療法士としての仕事の大変さ、つらさはあるものの、理学療法士だからこそのやりがいや魅力はたくさんあります。

仕事がつらいと感じた時にも振り返りたい、理学療法士の仕事のやりがいや魅力を解説します。

患者さんのリハビリの効果が見られた時

リハビリの成果はすぐに出ないものの、うまくいけば患者さんや利用者さんの身体機能が少しずつ回復したり、うまく体を動かしたりできるようになります。

担当している患者さんや利用者さんにリハビリの効果が見られたときには、理学療法士にとって大変うれしい瞬間と言えます。時にはご家族から感謝されることもあるでしょう。

自分で立てたリハビリの計画や内容が患者さんや利用者さんに合っていたということにもなるため、理学療法士としての大きな自信ややりがいにもつながります。

患者さん、その家族の笑顔を見ることができる

患者さんや利用者さんがリハビリによって身体機能が回復すれば、本人ができる日常動作が増えることで自宅での生活や社会復帰も可能となります。

リハビリに一生懸命取り組んだ結果、リハビリ前よりも患者さんや利用者さん、家族の笑顔が増えて行く様子が見えるのも、理学療法士としての仕事の魅力のひとつです。

リハビリなどの専門的な知識や技術を得ることができる

理学療法士は常に新しい医療やリハビリの知識や技術を身に付けるために、勉強を続けます。さらに、医療系や介護系の各職員と連携し、働くことで多くの専門的な知識やスキルを身に付けられます。現場で実践しながら常に知識や技術を得られる環境が整っていて、自分を高めながら成長し続けられるのも、理学療法士の大きなやりがいと言えるでしょう。

3.理学療法士を辞めたいときの解決策4選

理学療法士としての仕事を続けていると、どうしても「辞めたい」と感じてしまうことがあるかもしれません。理学療法士を辞めたくなったときの解決策を4つ紹介します。

理学療法士を目指した理由、気持ちを思い出す

理学療法士を辞めたいと思ったときは、初心に帰ってみましょう。

理学療法士になりたいと思ったときの気持ちを振り返ることで、もう一度頑張ろう、という気持ちが起きてくることがあります。

今までの仕事でうれしかった瞬間や、やりがいを感じたエピソードを思い出してみるのもおすすめです。

辞めたい原因の深堀をする

理学療法士を辞めてしまう前に、辞めたいと感じている原因が何かをしっかり見極めておきましょう。

原因によっては上司に相談したり、自分で解決できたりする場合があります。辞めたいと感じている理由を明確にすることで、次にやるべき具体的な行動のヒントが得られます。

辞めたい原因がはっきりしていないときには、自分が理学療法士として働く上で重視しているものを思い出してみましょう。理想の働き方や待遇、環境から離れていることが、辞めたいと感じている理由かもしれません。

職場、環境を変えてみる

理学療法士の仕事そのものではなく、人間関係や待遇面、職場環境などが原因で辛いと感じているときには、職場や環境を変える方法があります。

職場を変えることで問題が解決できるため、また理学療法士としてやりがいを持って楽しく働けるようになるでしょう。

休職してみる

理学療法士としての仕事や今後について考えた上で、それでも辞めたいという意思が強いなら休職するのもひとつの方法です。

一度理学療法士の仕事から離れてみることで、今後どうしたいかをゆっくり考える時間を得られます。職場が休職扱いにしてくれる場合は、また理学療法士として働きたくなったときに復帰ができます。

4.理学療法士を辞める前にしておくべきこと

現在の職場から転職したいときや、理学療法士を辞めるときには、辞める前に必ず次の転職で重視したいポイントを明らかにしておきましょう。

現在自分が理学療法士を辞めたい、または転職したいと考えている原因を明確にした上で、それを解決できる転職先を見つけることで、納得の転職につながります。

逆に次の転職先で重視したいポイントや条件を決めずに転職してしまうと、自分が思っていたような働き方や待遇が得られないミスマッチが起きてしまう可能性があります。場合によっては転職前よりも状況が悪化してしまうかもしれません。

自分が何を優先したいかを踏まえて転職先を探しましょう。疑問点や不安な点は施設見学時や面接時に確認するようにするのも重要です。

5.まとめ

理学療法士を辞めたいと感じる理由や、辞めたくなったときの解決方法を解説しました。

理学療法士は業務内容から辛い、疲れた、と感じるポイントもたくさんあります。現在の職場の環境や待遇面でも不満で理学療法士の仕事を辞めたいと思ったら、職場を思い切って変える方法もおすすめです。

自分が理学療法士として働くうえで大切にしたいことや条件を明確にしたうえで、転職活動をはじめましょう。

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【参照サイト】
生涯教育 理学療法士の質向上に向け、継続的な学習機会を提供します|公益社団法人日本理学療法士協会
医療関係職種等の賃金水準データ 3 医療関係職種の経験年数別の所定内給与額|厚生労働省
理学療法士(PT)統計データ|職業情報提供サイト(日本版O-NET)厚生労働省

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