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理学療法士の就職先7選ご紹介!就職先の選び方も徹底解説!

理学療法士

病気や怪我による運動動作や日常動作の障害からの回復や維持、または悪化の予防のためのサポートを行うのが、理学療法士です。

理学療法士のニーズは多岐にわたり、就職先も幅広くなっています。これから理学療法士を目指す方や、転職を検討している理学療法士の方のために、理学療法士の代表的な7つの就職先と、納得して働ける就職先を選ぶポイントを解説します。

1.理学療法士の就職先

理学療法士のおもな就職先が、以下の7つです。
・医療施設
・リハビリテーションセンター
・福祉介護施設
・行政機関
・教育・研究機関
・一般企業
・スポーツ・フィットネス施設

それぞれの就職先の特徴を理学療法士の働き方とともに解説します。

医療施設

理学療法士の代表的な就職先が、医療施設です。

「理学療法士養成校の就職活動状況および就職先選択条件─東北地方の私立大学での実態─」によると、東北文化学園大学の理学療法士養成課程に在籍していた 4 年次生を対象にしたアンケート調査において、回答者の97.1%が大学卒業後一般病院に就職したとの結果が出ました。

多くの理学療法士が活躍する医療施設には、大きく分けて病院とクリニック・診療所があります。

病院

公益社団法人全日本病院協会によれば、最低3名以上の医師と20床以上の病床を持つ、大規模な医療施設が病院です。

病院にはさまざまな診療科があり、理学療法士はリハビリテーション科や整形外科などで活躍しています。理学療法士は身体や精神に障害のある患者さんに対し、筋力増強訓練や歩行訓練、電気刺激、マッサージなどで身体機能の回復をめざす理学療法を提供します。

病院の理学療法士は、患者さんの状態や以下の時期に応じて、理学療法を行います。

急性期:手術直後や発症後早期に理学療法を取り入れ、その後の順調な回復につなげる
回復期:体の機能の回復力を最大限に引き出し、患者さんが日常生活に戻るサポートをする
社会復帰:患者さんの残された身体機能を引き出し、社会復帰をサポートする

病院では多くの理学療法士が在籍しているため、仕事のやり方などの相談や意見交換を理学療法士同士がしやすいのがメリットです。

病院の中には介護施設の運営に関わる療養型病院もあり、介護・福祉の分野に興味のある場合介護や福祉の知識や技術を得ることもできます。なお病院は入院患者さんも対象とするため、理学慮法やリハビリは土日祝日を問わず実施される傾向にあります。

クリニック・診療所

公益社団法人全日本病院協会によれば、クリニック・診療所とは医師が最低1名、病床20床未満の小規模の医療機関 のことです。理学療法士は、おもに整形外科クリニックや診療所で活躍しています。

大規模な病院は幅広い診療科があるのに対して、クリニック・診療所は整形外科のみに固定されることから、クリニック・診療所の理学療法士はより専門的な理学療法を患者さんへ提供する傾向にあります。

病院に対してクリニック・診療所は理学療法士も患者さんの数も少なくなるため、ひとりの理学療法士が担当する患者さんや症状が固定されやすいのも特徴です。患者さんとの距離が近くなりやすい一方で、理学療法士の持つ責任も強くなります。

クリニック・診療所は定休日が固定されているため、理学療法士の休日が固定されやすい傾向にあります。

リハビリテーションセンター

社会福祉法人名古屋市総合リハビリテーション事業団によれば、リハビリテーションセンターとは、身体の機能回復や自立度向上、社会復帰や職場復帰、就業を目的にさまざまなリハビリを提供する施設のこと です。

リハビリテーションセンターには、大きく分けて通所型と訪問型があります。

通所リハビリテーションセンターでは、理学療法士はリハビリテーションセンターを訪れた患者さんや利用者さんに対して、個別のリハビリや自主トレーニングのサポートを行います 。

訪問リハビリテーションセンターでは、理学療法士が患者さんや利用者さんの自宅や福祉施設に足を運び、リハビリを提供します。

通所リハビリテーションセンターは比較的症状が軽い方が多く、訪問リハビリテーションセンターは通所が困難な方を対象にリハビリを提供する傾向が高いです。いずれも理学療法士ひとりがリハビリを担当することが多く、責任感の高い職場と言えるでしょう。

福祉介護施設

福祉介護施設とは、自宅での生活が困難な利用者の方が、複数人で生活を送る施設です。おもな福祉介護施設には以下の3種類があります。

・介護老人保健施設
・身体障害者福祉施設
・児童福祉施設

それぞれの施設の特徴と理学療法士の働き方を解説します。

介護老人保健施設

公益社団法人全国老人保健施設協会によると、介護老人保健施設は、介護を必要とする高齢者の自立を支援し、家庭への復帰を目指す施設です。医師による医学的管理の下、看護や介護ケア、リハビリ、栄養管理、入浴などの日常サービスをあわせて行います。

利用者は介護保険法による被保険者で要介護認定を受けた方のうち、病状が安定していて入院治療の必要がない要介護度1~5の方が対象です 。状態が安定している方を対象に理学療法を行う機会が多めと言えるでしょう。

身体障害者福祉施設

独立行政法人福祉医療機構によると、身体障害者福祉施設とは身体障害者や家族に対して各種相談の対応、機能訓練、教養の向上、社会との交流の促進、レクリエーションなどを総合的に提供する施設です。

身体障害者福祉施設にて日常生活動作の維持や、しびれや痛みの緩和を目的とした機能訓練を行う理学療法士もいます。また、身体障碍者福祉施設ではレクリエーションの運営などのサポートにも携わります。

児童福祉施設

児童福祉施設の内、障害児入所施設や放課後等デイサービス、児童発達支援センター、児童発達支援所などで活躍する理学療法士もいます。

児童福祉施設では、先天的、または事故、怪我、病気などの後天的な要因によって運動機能に障害を持った子どもたちに対して、運動機能や脳の発育を促すリハビリを、医師などと連携しながら提供します。

行政機関

都道府県や市町村の保健所や保険センターといった行政関係施設も、理学療法士の就職先のひとつです。

行政機関では、市民を対象にしたリハビリ指導や教室の開催、検診での評価、健康相談や指導などを行います。

理学療法士として市民の健康や介護予防に寄与する活動を行うだけでなく、予算の立案など行政に携わる業務にも従事します。

教育・研究機関

教育・研究機関で教員として未来の理学療法士の育成や養成を担う理学療法士もいます。

理学療法士の教員である「臨床実習指導者」になるには、理学療法士として満4年以上の実務経験を積んだうえで、臨床実習指導者講習会を受講する必要があります。

臨床実習指導者講習会は、各自治体の理学療法士協会や全国リハビリテーション学校協会などの関連団体で随時募集を行っています。

一般企業

全体的な数は少ないものの、一般企業で活躍する理学療法士もいます。

たとえば家庭用の運動器具メーカーや、バリアフリー住宅を手掛けるハウスメーカーやリフォーム会社で、理学療法の観点からの知識や技術を活かして働くこともできます。

スポーツ・フィットネス施設

スポーツチームやジム、フィットネスクラブなどでトレーナーとして活躍する理学療法士もいます。

怪我からの復帰を目指した選手のリハビリのほか、怪我予防の身体の使い方のアドバイスなども行います。また、トレーナーという観点から、栄養面や睡眠面といったサポートを提供することもあります。

2.理学療法士の就職先の選び方

理学療法士の就職先は、病院をはじめとした医療施設以外にも多岐にわたります。理学療法士として納得して働ける職場に就職するためには、以下のポイントを踏まえて就職先を選びましょう。

・対象者で選ぶ
・待遇面で選ぶ
・施設の方針と自分のやりたいことが一致するのかで選ぶ
・キャリアプランが叶えるかで選ぶ

それぞれのポイントについて解説します。

①.対象者で選ぶ

就職先によって、理学療法士としてリハビリやその他のサポートを提供する対象者が異なります。

「大勢の患者さんにリハビリを提供したい」「介護分野に興味があるので、高齢者の方にリハビリを提供したい」など、自分がリハビリやサポートを提供したい対象者に合わせた就職先を選びましょう。

②.待遇面で選ぶ

就職先によって、給料や休日、福利厚生などの待遇面が異なります。せっかく自分のやりたいことができる職場が見つかっても、待遇面が悪ければ働き続けるモチベーションが低下してしまうでしょう。

給料は基本給だけでなく、手当や退職金の有無や種類も確認しておきましょう。

③.施設の方針と自分のやりたいことが一致するのかで選ぶ

自分が理学療法士としてどんなことをやりたいか、自分の得意なことを明確にしたうえで、就職先を選びましょう。

待遇面が良くても、自分のやりたくない仕事ばかりをやっている職場ではモチベーションを保てません。また、自分が理学療法士として得意な技術や知識を持っていても、施設の方針でやらせてもらえない、といったこともあります。

自分の興味のある分野や将来の理学療法士像、さらに施設の方針をチェックし、自分のやりたいことができる就職先を探しましょう。

④.キャリアプランが叶えるかで選ぶ

目先の待遇面ややりたいことだけでなく、将来のキャリアプランが叶うかどうかも就職先を選ぶポイントです。

学療法士としてスキルアップやキャリアアップにつながる、研修や教育制度があるかどうかも確認すべきポイントです。

3.まとめ:理学療法士はいろいろな選択肢のある職業

理学療法士の就職先7選と就職先の選び方を解説しました。

理学療法士は病院をはじめとした医療機関での就職が一般的でしたが、ニーズの高まりに応じてさまざまな働き方を選べるようになりました。

ぜひ自分のやりたいことや待遇に合う、やりがいのある就職先探しを叶えましょう。

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【参照サイト】
理学療法士養成校の就職活動状況および就職先選択条件 ─東北地方の私立大学での実態─62ページ|J-STAGE
病院の機能と組織 1.病院と診療所の違いは?|公益社団法人 全日本病院協会
理学療法士とは 理学療法士の活躍場所|公益社団法人日本理学療法士協会
病院の機能と組織1.病院と診療所の違いは?|公益社団法人 全日本病院協会
リハビリセンターとは…?|社会福祉法人名古屋市総合リハビリテーション事業団
通所リハビリセンター 2014年6月9日OPEN|京都きづ川病院
訪問リハビリテーション|利府仙台ロイヤルケアセンター
老健施設とは|公益社団法人全国老人保健施設協会
身体障害者福祉センター|独立行政法人福祉医療機構
2023年度 臨床実習指導者講習会募集要項(中央開催)|全国リハビリテーション学校協会

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