ホーム » 整体師 » 整骨院と接骨院の違いとは?整体院・整形外科・カイロプラクティック院の目的別に徹底解説!

整骨院と接骨院の違いとは?整体院・整形外科・カイロプラクティック院の目的別に徹底解説!

整体師

柔道整復師がおもに施術を行う施設である整骨院と接骨院。両者に違いがあるのか気になる方も多いかもしれません。

また、似ている施設に整体院や整形外科、カイロプラクティック院もあります。

今回の記事では、各施設の違いや目的、特徴について徹底比較します。

1.整骨院と接骨院の違い

日本柔道整復師会によると「整骨院」と「接骨院」は、いずれも柔道整復師の資格を持った人が施術している施設であり、呼び方が異なるだけで施術内容などは変わりません。また、 付け加えると「ほねつぎ」も同様です。

ただし、厚生労働省の柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第二十四条第一項第四号の規定では、柔道整復師の開業した施設を「ほねつぎ又は接骨」 としています。

「整骨院」という名称が法律上で一度も出ていないことから、厚生労働省では2023年2月の「施術所の名称等についての検討会」にて「整骨院を廃止し、接骨院と名称を統一すべきではないか」との意見から、新規開業者については今後整骨院の名称使用を不可とすることが大筋で合意となりました。

その一方で厚生労働省の認可団体である「全国柔整鍼灸協同組合」では、「柔道整復師が「整骨院」という名称で今後も開設できること」と「厚生労働大臣告示の文言を「ほねつぎ(または接骨、整骨)」に変更すること」の2点を求めて署名活動を行いました 。

「整骨院」の名称変更については正式な決定がどうなるかが注目されています。

2.整骨院・接骨院での治療内容

整骨院・接骨院では、日常生活やスポーツ、交通事故、勤務中に発生した外傷(怪我)に対して施術(治療)を行います。

骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷(肉離れ)に対し、人間が本来持っている自然治癒力を最大限に引き出させる「整復」「固定」「後療法」の施術を施すのが特徴です。

整復とは、損傷を受けて折れたり、移動したり、外れたりした骨・関節・軟部組織を正しい位置に戻すことをいいます。

次に固定ですが、一定期間運動を制限することで損傷の回復を図るために、包帯やバンテージ、ギプス、シーネ、サポーターなどで患部を固定することをいいます。

最後に後療法ですが、患部の血行を良くし損傷組織を早期に回復させます。後療法は、以下の3つの施術に分けられます。

・柔道整復マッサージを利用した手技施術
・電気療法(低周波治療)・光線療法・温熱療法(マイクロ波治療)・寒冷療法等で物理的エネルギーを体に与える物理療法
・リハビリや再発予防を目的に、関節可動域訓練や筋力トレーニングをおもに行う運動療法

3.整骨院・接骨院の保険適用対象範囲

整骨院・接骨院で骨折、脱臼、打撲および捻挫(いわゆる肉ばなれを含む)の施術を受けた場合は、保険適用になります。

ただし骨折や脱臼は緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意を得る必要があります。

また、肩こり、筋肉疲労などに対する施術は保険の対象外で、全額自己負担です。保険医療機関(病院、診療所など)で同じ負傷等の治療中も、施術を受けても保険等の対象とならないため、気を付けましょう。

4.整骨院・接骨院と整体院・カイロプラクティック院の違い

整骨院・接骨院と似た施設に、整体院・カイロプラクティック院があります。両者は以下の3つのポイントで違いがあります。

・施術者の資格
・施術症状
・保険適用

それぞれの違いについて解説します。

施術者の資格の違い

整骨院・接骨院では、厚生労働省が認定した国家資格である「柔道整復師」資格の保有者がおもに施術を行います。

整体院・カイロプラクティック院それぞれの資格は民間資格で、資格を取得していない者でも施術を行えます。

施術症状の違い

整骨院・接骨院では日常生活やスポーツなどで発生した骨折や捻挫などの外傷に対する施術(治療)をメインで行います。

整体院の施術内容に決まりはなく、関節の歪みやズレの矯正や骨格筋のバランス調整などにより体の不快感の軽減が期待できる無血療法という健康法や、リラクゼーション目的のもみほぐしなど、提供している施術は院によってさまざまです。

カイロプラクティック院は、神経系の機能回復を目的に、背骨の歪みを重視し体のバランスを整える、非観血徒手矯正療法を行っています。

保険適用の違い

整骨院・接骨院は整骨院・接骨院で骨折、脱臼、打撲および捻挫(いわゆる肉ばなれを含む)の施術を受けた場合は、保険適用です。

整体院・カイロプラクティック院はすべての施術が保険適応外となります。費用はすべて自己負担になるものの、希望に沿ったオーダーメイドでの施術を受けることも可能です。

5.整骨院・接骨院と整形外科の違い

整骨院・接骨院と整形外科には、以下の3つの点で違いがあります。

・施術者の資格
・施術症状
・保険適用

それぞれの違いについて解説します。

施術者の資格の違い

整骨院・接骨院にてメインで施術を行う柔道整復師は、国家資格を取得しています。

整形外科は国家資格である医師免許を持つ整形外科医が治療を行います。

施術症状の違い

整骨院・接骨院では外傷へのアプローチとして、人間の自然治癒力を最大限引き出すための、手技を中心に物理療法や運動療法も行います。一方整形外科は、国家資格である医師免許を持った整形外科医が、治療と診断を行います。

治療箇所は、骨・関節・筋腱(運動器)・手足の神経(末梢神経)・脊椎脊髄です。診断は、理学所見とX線(レントゲン)やMRIなどの検査をもとに行われ、症状や病態にあわせて投薬や湿布の処方、注射、手術、リハビリテーションなどの手法を用いて治療を実施します。

痛みに対する原因の診断は、法律上整骨院ではできません。整形外科は医療機関のため、痛みに対する原因の診断が可能です。また、整形外科では交通事故の後遺症診断書をはじめとした、公的な診断書の発行もできます。

保険適用の違い

整骨院・接骨院で保険適用となるのは骨折、脱臼、打撲および捻挫(いわゆる肉ばなれを含む)の施術を受けた場合です。

ただし骨折および脱臼は緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意を得る必要になります。肩こり、筋肉疲労などに対する施術は保険の対象外で、全額自己負担です。

整形外科は医療機関のため、治療および薬の処方は保険適用となります。

6.まとめ:目的に合った治療を選びましょう

整骨院・接骨院と整体院・カイロプラクティック院、整形外科の違いを解説しました。

それぞれの施設によって目的や施術の内容、保険適用の有無が異なります。自分が受けたい治療や施術に応じた施設を選ぶことが重要です。

整体師の求人を探す

【参照URL】
柔道整復師・整骨院・接骨院について 整骨院・接骨院・ほねつぎは、どのように違うのですか。|公益社団法人 日本柔道整復師会
柔道整復師法第二十四条第一項第四号の規定に基づく柔道整復の業務又は施術所に関して広告し得る事項一 ほねつぎ(又は接骨)|厚生労働省
施術所の名称等について 2.施術所の名称「整骨院」について 12ページ|厚生労働省
【6月末まで】『整骨院』の名称使用存続の署名活動協力のお願い|全国柔整鍼灸協同組合
柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて 柔道整復師の施術を受けられる方へ 保険を使えるのはどんなとき|厚生労働省
一般の方へ よくある質問 Q整形外科と接骨院(いわゆる整骨院)――「整体」なども整形外科の一分野なのでしょうか?|公益社団法人 日本整形外科学会

タイトルとURLをコピーしました