主に関節や背骨の矯正のための施術を行うのが整体師です。
整体院やリラクゼーション施設で活躍する整体師が多い一方で「整体師はやめとけ」といった声を見聞きしたことがある方もいるかもしれません。
整体師はデメリットもあるかもしれませんが、メリットもたくさんある職種です。
これから整体師を目指したい方や、現在整体師で転職を検討している方のために、整体師はやめとけと言われる理由や整体師の魅力、具体的な就職先、向いている人について解説します。
1.整体師はやめとけと言われる理由7選
「整体師はやめとけ」と言われてしまうおもな理由が、以下の7点です。
①.給料が低水準
②.勤務時間が長い
③.身体的な負担が大きく、職業病のリスクもある
④.労働環境や福利厚生が整ってないことが多い
⑤.クレーム対応がきつい
⑥.人間関係が難しい
⑦.競争が激しい
具体的になぜ「やめとけ」と言われてしまうのかを解説します。
①.給料が低水準
整体師はほかの職業よりも給料が低い場合があることが「やめとけ」といわれる理由のひとつです。
国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査によると、日本の平均年収は458万円です。集計元は変わりますが 、求人ボックス給料ナビによると、整体師の平均年収は正社員の場合約387万円 となっています。
一般的なサラリーマンの平均年収と比較すると、正社員でも整体師の給料は低いことが分かります。
②.勤務時間が長い
一般的に、整体師の勤務時間は長く不規則になりがちです。
具体的な営業時間は施設によって異なりますが、整体師の働く整体院やリフレクソロジー院、マッサージ店は朝9時から夜21時まで営業していることは少なくありません。加えて、出店している場所によっては早朝や深夜営業をしている場合もあるでしょう。
さらに土日も営業しているところも多く、勤務時間が長い、休みが少ないことで疲労がたまる、自分の時間がなかなか作れないといった理由も、整体師をやめたい、と感じる原因となります。
③.身体的な負担が大きく、職業病のリスクもある
整体師は、手指を使って整体の施術をお客様へ提供する職業です。
基本的には立ちっぱなしで、中腰などの姿勢で時には強い力も使ってお客様へ製遺体の施術を提供します。勤務中は体力を使うことに加えて、職業病として肩こりや腰痛、腱鞘炎といった慢性的な症状に悩まされるリスクもあります。
④.労働環境や福利厚生が整ってないことが多い
整体師は正社員として採用されることもありますが、個人事業主として働く業務委託や、アルバイトやパートといった非正規雇用での働き方も多いです。当然ながらボーナスなどは支給されず、施設側で福利厚生などを用意していることもほとんどありません。
給料が低いことに加えて、安定して働ける労働環境が整っていないことも、整体師はやめとけ、と言われてしまう理由のひとつです。
⑤.クレーム対応がきつい
整体師は、基本的に個室やプライベート空間となっているスペースでお客様へ施術を行います。密室状態でお客様へ施術を行うことから距離が近くなりやすく、ちょっとしたことがクレームになってしまう可能性があります。
例えば、お客様の身体へ直接触れることや、技術不足、配慮不足によってお客様に不快感を与えてしまうことで、クレームにつながってしまいます。クレームが続けば体力面だけでなく精神面でも、整体師に大きな負担がかかることになるでしょう。
⑥.人間関係が難しい
整体院やマッサージ店は小規模施設であるほどスタッフの人数が少なく、コミュニティとして閉鎖的になりやすくなります。
院長やオーナーと意見が合わない、派閥ができてしまっている、スタッフ同士がギスギスしていて職場の雰囲気が悪いなど、人間関係で問題をかかえる施設もあります。
⑦.競争が激しい
整体師になるために特定の資格は必要ありません。
無資格や未経験の方でも整体師にはなれるため、需要に対して整体師の数が多く競争が激しい職業でもあります。
なかなか就職先が見つからなかったり、ブラックな職場でも次の求人がないため転職ができなかったり、といったこともあるでしょう。
2.整体師になるメリット
整体師は体力面、精神面、職場環境や給与などいろいろな理由から「やめとけ」と言われてしまいがちです。ただし、以下のように整体師になることで得られるメリットもあります。
・働き方が多様
・知識・スキルが高ければ高収入を目指せる
・人体や健康についての知識が深まる
それぞれのメリットについて具体的に解説します。
働き方が多様
整体師は働き方が多様なため、自分のライフスタイルや重視したいポイントに合わせた働き方が実現できます。
整体院やリラクゼーション院などの施設に所属し、正社員やアルバイトとして働くだけでなく、整体師としての技術や経験を積めば独立開業も可能です。
また、フリーランスの整体師として業務委託を受けながら働くことも可能です。働く場所や時間を問わない働き方も実現できるでしょう。
知識・スキルが高ければ高収入を目指せる
整体院やマッサージ店によっては、指名を受けるとインセンティブが発生する歩合制を採用している施設もあります。
自分が整体師としての知識やスキルが高く、お客様が満足する施術を提供できれば、指名を多く得られる人気の整体師となることも可能です。指名が増える分、高収入も十分目指せるでしょうし、独立開業の道も期待できます。
整体に関する資格の取得や、柔道整復師や鍼灸師などの整体では提供できない施術を提供できる国家資格を取得したりなど、自分の技術を高めるための努力をすれば収入アップは十分可能です。
人体や健康についての知識が深まる
整体師は職業から、人体の構造や健康といった分野への造詣が深まります。
その結果、整体師という職業を活かして人に姿勢についてアドバイスをしたり、自分の健康管理に役立てたりといったメリットも得られます。
3.整体師の就職先・転職先
整体師の就職先は整体院が一般的ですが、実は幅広い就職先・転職先があります。自分のやりたいことができる職場を求めているときや、今の職場に不満があるときには、転職を考えるのもおすすめです。
また、整体院にもカイロプラクティックやリフレクソロジーなど、提供する施術によってさまざまな施設があります。日頃の疲れやストレスを癒すためのリラクゼーション目的での施術や、美容やダイエット目的での施術を提供する施設もあるでしょう。
他にも、加齢による身体の不調を緩和するために、老人ホームやデイサービスといった介護・福祉施設で整体を取り入れる施設も増加しています。たとえば、ジョブノートでもデイサービスをはじめとした介護・福祉施設で働く整体師の求人情報を豊富に掲載しています。
日本は超高齢化社会に突入し、今後日本の人口は少子高齢化傾向が続き、2025年には75歳以上の人口が全人口の約18%、2040年には65歳以上の人口が全人口の約35%になると予測されています。今後も介護・福祉施設での活躍する整体師へは、高いニーズが期待できるでしょう。
また、ジムやスポーツチームといったスポーツ分野や、整体師の技術向上を目的としたセミナーの講師や資格を取得できるスクールの講師といった教育分野など、整体師にはさまざまな活躍の場があります。
4.整体師に向いている人の特徴
整体師は職業としてのメリットもあり、働く場所も多様化しているため今後も高い需要が見込めます。これから目指す方や、今後も整体師として自分らしく働きたい方のために、整体師に向いている人の特徴を紹介します。
まずお客様と個室などのプライベートな空間で施術を提供するため、コミュニケーション力は求められます。お客様の不調や身体の悩みなどをしっかりと聞き出したうえで、適切な施術を提供する必要があります。お客様と信頼関係を築くことで、指名にもつながるでしょう。
お客様の身体に直接触れて施術を行うため、責任感も求められます。
例えば、お客様の不調や悩みにアプローチできない施術を提供してしまう、根拠のない施術を提供してしまうことで逆に体調が悪化してしまうといったトラブルに発展してしまう可能性もあります。
最後に、向上心の高い人は整体師に向いています。常に新しい施術や技術が開発されているため、積極的に新しい知識を勉強し自分のものにすることが整体師としての大きな成長につながります。
向上心の高い人なら、整体師としての勉強を忘れず新しい技術を常に身に付けられるため、お客様へもより適切な施術を提供できるでしょう。
5.まとめ:整体師を目指す前に知っておくべきことは?
整体師はやめとけと言われる理由や整体師のメリット、就職先や転職先、向いている人の特徴について解説しました。
整体師はやめとけ、と言われるものの、独立開業やフリーランスを目指せる、収入アップも見込める、幅広い分野で活躍できるといったメリットややりがいも大きな職業です。
「やめとけ」といった先入観だけでなく、自分に向いているかどうかを総合的に判断したうえで、整体師としての就職を目指すことをおすすめします。
整体師の求人を探す【参照サイト】
整体師の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)|求人ボックス給料ナビ
令和4年分民間給与実態統計調査 概要|国税庁